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漫画家・山川直人のブログです。


by emikanta62

吉上恭太さんの本

吉上恭太さんの本
『ときには積ん読の日々』が出ました。
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恭太さんと最初に会ったのは20世紀が終わる頃。
参加してたグループ展の会場で、
イラストレーターの保光敏将さんの
お知り合いとして紹介された。

でも、すぐに親しくなったわけじゃなくて、
保光さんといっしょのグループ展に参加するたびに、
見にきてくれる恭太さんと
少しずつお話しするようになった。

高田渡の歌う『ブラザー軒』で詩人の菅原克己を知って、
保光さん、内田かずひろ氏と三人で
「菅原克己の本を作りたいね」という話になったとき、
菅原克己を偲ぶ会・げんげ忌を
紹介してくれたのが恭太さんだった。

その頃から、奥さんの智子さんともいっしょに、
お茶したリ、ご飯食べたり、ライヴに行ったり、
頻繁にお会いするようになった。
話題になる詩人や画家、ミュージシャンは、
みんな有名な人たちなんだろうけど、
私の知らない名前がほとんどだった。
でもそれが恭太さんの口から出ると、
少しも権威的でなく、
親しい昔の友達の話を聞いてるようで、
頭よりも心のほうに
素直に入ってくるような気がした。

恭太さんは私より5つ歳上で、
少し前を歩く人生の先輩として、
こういう歳の重ね方があるんだなあ、
だったら歳をとることも悪くないなあと、
憧れというかお手本というか、
穏やかな気持ちにさせてもらっている。

恭太さんの本業は児童文学の翻訳で、
10年ほど前からギターを抱えて歌いはじめ、
CDも自主制作している。
この本は恭太さんのはじめてのエッセイ集で、
「本のメルマガ」連載中のものに、
書き下ろしを加えてまとめたものだ。

メルマガの横書きで読んでいたときは、
情報ばかりを拾うように読んでいたらしい。
紙の本になって縦書きで読むと
行間が浮き上がってくるんだなあと、
再読してそんなことも発見した。

実はこの本の中には私も登場していて、
前述の出会いの場面も恭太さんの目から
書いていただいている。
なんと裏表紙の帯の部分にも私の言った(らしい)
エラソーな言葉が引用されていてとても恥ずかしい。
恥ずかしいので、
ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。

吉上恭太『ときには積ん読の日々』
2015年10月27日発行
挿画・あまのさくや/装丁・千葉 泉
トマソン社刊/1500円+税

*出版社の特設ページはこちら
amazonでも買えます。

(2015.12.02)
by emikanta62 | 2015-12-02 17:32 | 日々のあれこれ | Comments(0)